今、わたしたちの撮りたい映画、書きたい脚本は?
インディペンデント作家たちの熱き思いを

明日の映画につなげよう! 

インディペンデント映画の監督・プロデューサーたちと、
セミプロ・シナリオライターたちのフォーラム・短編中篇映画上映会を
シナリオの学校「シナリオ・センター大阪校」で開催しました。


「二花子の瞳〜にかこ、のひとみ〜」より
「ニ花子の瞳〜にかこ、の、ひとみ〜」より


内容
●短編中篇インディペンデント映画4本を上映
●映像とシナリオのコミュニケーションを計ったフォーラム






フォーラム

「手をつなごう! インディペンデント監督&ライターたちの集い」

【ゲスト】
佐藤圭作氏
佐藤圭作氏
1998年、自主映画制作団体ShowGuts Entertainmentにシナリオライターとして加入。地元名古屋での自主映画祭プロデュース、新聞・雑誌への自主映画やアートについてのコラム・批評執筆等を経て、自らも監督するようになる。

脚本を担当した『NEZI』(1999年度作品)により第三回インディーズムーヴィーフェスティバル入選(第5位)他。

シリアス路線に趣を転じた初監督作品『ニ花子の瞳〜にかこ、の、ひとみ〜』(2002年度作品)により、第三回TAMA NEW WAVEビデオ部門グランプリ受賞、第19回ハンブルク国際短編映画祭入選、みちのく国際ミステリー映画祭、プラネット映画祭2002入選、フランス「TOKYO ZONE2」出品。



河野清麿氏
河野清麿氏
大阪ショートショート実行委員会ゼネラルプロデューサー。1996年、大阪府青少年活動財団プネット・ステーション事業のプラネット 映画祭プロデューサーに。1999年、プラネット・ステーション制作チーフ 就任。INDIE’S PLANET代表就任。自主映画の映画祭を中心にフリーのイベンターとして活動、現在に至る。
主なプロデュース作品に、横田丈実監督「赤木カルタさんの夢」中岡秀樹監督「キャッチボール」「OSAKA STRUT」「探偵〜ライディングゾーン〜」「MyDo!」他多数。



上映作品

■ 君にありがとう ■
2002年/ガバガバヘイ!ビデオインターナショナル/59min

脚本・編集・監督:山岡大祐
撮影:橋本清明
メイク:山岡里枝子
制作:関根彬・古宮夏希
出演:石坂岳史 山本昌江 古澤裕介 水戸ひねき 山梨ハナほか

高校野球のスーパースターだった男が、かつてファンだった同級生と再会し、過去を取り戻そうとするが……。過去に恋するダメ人間の物語。「モデルがいるんじゃないのってくらいリアリティーがあった。見られて本当にラッキーだった」と倉田真由美氏(漫画家、「だめんずうぉ〜か〜」著者)も絶賛!

第12回TAMA CINEMA FORUM第3回TAMA NEW WAVE2002
観客審査第1位


http://www.angel.ne.jp/~alec



■  バースデー  ■
2003年/まるたけ/10min

監督:上西真人
脚本:上嶋幸代(シナリオ・センター大阪校作家集団)
出演:高木夏子 湊伊寿実 中島尚ほか

女子高生その子は,誕生日を祝ってくれる人に、まだ出会えてはいないと思っていた。世界中には、約63億人もの人がいるというのに。その子の18歳の誕生日に起こったステキな出来事とは。



■ for get ■
2002年/15min

脚本・監督:木谷淳之
脚本監修:青木万央(大阪校出身・現在東京校作家集団)
撮影:関 将史
録音:藤 大志
編集:井尻和仁
出演:石本 径代 木谷 淳之 ほか

風俗嬢の美月は、児童養護施設に強制保護されている息子との面会を拒否された。やけ酒を呷り、街を彷徨い歩く彼女は偶然、ある光景に遭う。それは、美月の奇妙な常連客・佐嶋の意外な姿だった。



■ ニ花子の瞳〜にかこ、の、ひとみ〜 ■
2001年/ShowGuts Entertainment/43min

監督・脚本:佐藤圭作
撮影:田中 武 
照明:青木孝夫 
音響:吉田佳典 
美術:
梶田英司
出演:水野佑美 美月 レオナルド備前 三上眞一郎ほか

人目を逃れ山奥でひっそり暮らす双子の姉妹、花子と二花子。花子の犯した小さな過ちは、やがて家族に崩壊をもたらす。「私のせいで、みんなが死んだ」。自分を責める花子は、罪を償う。美しい風景と伝統的な日本家屋で展開する、愛らしく血なまぐさい物語。小津安二郎作品『秋刀魚の味』『秋日和』等の三上眞一郎氏も出演。




河野清麿氏
 
映画上映に併せて行なわれたフォーラム。司会は、大阪ショートショート実行委員会のゼネラルプロデューサー。河野清麿氏。今回のイベントについて「無名の監督でも無名の脚本家でも、いい作品は全世界の人を感動させる。いい作品にはいい脚本が必要と思うが、自主映画の世界では、本が書けないため、アクションだけでつなげている人も多い。ここで撮る人と書く人の橋渡しをできれば」と熱っぽく語ります。

 まず前半は、今回上映されたforget≠フ脚本・監督の木谷淳之さんと脚本監修の青木万央さん、バースディ≠フ脚本を書かれた上嶋幸代さんが登場。

 木谷さんは「15分物で、設定を一ついじると全部崩壊するような短いなりの難しさを痛感。自分で脚本を書いて見てもらったことでは、撮るべきものが整理できてよかった」。青木さんは「2時間ものになりそうな内容をいかに15分物にするか? が問題だった。本のダメ出しについては最後にはサド的な気持で(笑)。この動きの後でこのセリフはしゃべ
れない、そんなことも体験してもらって」。上嶋さんは「絵コンテを作ると、ぺラで考えるより時間が長くなり、直しに手をとられた。習作と違い、実際の制作では、現場や人の都合などの制約がある中で書くことを実感」など、和気合々と率直に語られました。
青木万央氏 木谷淳之氏 上嶋幸代氏
 
 後半では、海外でも上映経験のある佐藤圭作監督が撮られた二花子の瞳〜にかこ、のひとみ≠フ上映に続き、氏
佐藤圭作監督
が「これは9稿が決定稿だったが、クランクインは7稿」「悲劇的メルヘンと思っているが海外ではホラーと紹介された」などエピソードを披露。ご自身の執筆経験や監督業、また小津安二郎の遺作や海外における日本映画の位置などについても話され、「シナリオでは、シーンを作り、構成をやり尽くす。監督は、それをどう絵にするかが仕事」「監督には1人で何でもする武蔵型と組織を率いる秀吉型がいる」「独仏の人が日本映画の印象として抱いているのは、意外にも血、暴力、sexというもの」などの言葉が印象的でした。