第16回放課後倶楽部 平成16年9月25日(土曜日)
シナリオライターと監督のあいだ
「映画『娘道成寺』への道」

高山由紀子 監督


  高山由紀子(たかやま ゆきこ)氏プロフィール

映画「娘道成寺」より

東京に生まれる。
慶應義塾大学文学部史学科東洋史専攻 卒業

1975 映画「メカゴジラの逆襲」(東宝)で脚本家デビュー
     以後シナリオライターとして活躍

映画作品 
「月山」「遠野物語」「国東物語」「トリナクリア」「男ともだち」「上方苦界草紙」
「KOYA」「大奥 徳川の女帝」
TV作品
必殺シリーズ 他
時代劇スペシャル 必殺スペシャル NHKドラマスペシャル 他多数

1996 「風のかたみ」で監督デビュー(脚本)
2003 「娘道成寺 蛇炎の恋」 第二回監督作品 (脚本)

ドキュメンタリー 
人間劇場「凛として高野山に生きる」(構成 演出)
著作
「小説遠野物語」「国東物語」「ドン・フランシスコ大友宗鱗」
受賞歴
ポルトガルフォズ国際映画祭批評家大賞
タシケント映画祭特別賞

現在 シナリオ作家協会常務理事


映画「娘道成寺」より

高山先生よりのメッセージ

30年前、私もシナリオ・センターの生徒でした。
思い出すと、いろんな夢があってとても楽しい時期でもありました。
授業が終わると、皆でワイワイお喋りをして……
新井先生の一言が、今も私を支えています。
「シナリオを書くのに、才能はいらない」
このお言葉で、私はグッと楽になったのです。
誰にでもチャンスはあるのだ。私にはそう聞こえたのです。
そしてまた、よく考えれば、これはとても深い意味があるような気がします。

このたび、2本目の監督作品を作ることができました。
シナリオを書き始めてから7年が掛りました。
思いの丈を全て吐き出したという充実感はあります。
そんなお話を聞いていただき、少しでも参考になればと思っています。


講義内容
 シナリオライター、そして映画監督でもある高山由紀子先生。シナリオセンター出身ということもあり、参加者にとってはまさにあこがれの人!

 講義前半は、先生がシナリオについて気をつけていること、考えていることを、映画、「娘道成寺」や「風のかたみ」のエピソードを交えて話してくださいました。
 「シナリオは、『何を書くか』と『どう書くか』の両方が不可欠」「シナリオイコール人間を描く! そのためには人間を知ること。しかし、自分が心をこめないと、人を見ることはできない」「疑問と好奇心を持つことが大事」そして、人物別のノート、箱書き、シナリオハンティングについての具体的な説明。シナリオは準備が大切であるということを再認識させられました。

 講義後半は、先生がシナリオライターから映画監督になられるまでのお話。今後撮りたい作品について。そして、参加者からの沢山の質問に答えてくださいました。

 「監督になることができたのは、努力と運の他に、『こうなりたい!』と思い続けていたから」「監督の仕事とは、スタッフキャスト全員、ある方向に向かって持っている力を必死に出してもらうこと」「批判的にものを見ると得るものがないように思う。何でも吸収するつもりで見る方がいい」

 印象的で暖かいお言葉。シナリオライターへの夢が、さらに膨らむような二時間でした。

参加された方々のお声

・ていねいにわかりやすい言葉でお話頂いてとても楽しかったです。映画を愛されていることが伝わりました。その中でシナリオの役割の重要さを教えていただきありがとうございました。

・まだ私は授業を受けたことありませんが、受ける前に高山先生のお話を聴けた事はとてもラッキーだったと思います。これからの勉強の心がまえが違ってきました。書く事についての基本もわかりやすく教えて下さって、私にもできるっていう気持が大きくなったようです。また放課後倶楽部にぜひ参加したいです。

・シナリオを書きはじめたばかりですが大変参考になりました。

・「自分の発見……」今より若い頃の自分にはむずかしいことではなかったが今は……。反省です。

・@人間を知るA箱造りは大切Bシナリオハンティングといった重要な話が聞けてよかったと思います。映画は好きですが仕事などでなかなか時間がとれず観る機会は少なかったですが、これからはレンタルビデオなどを活用して観ていこうと思いました。

・具体的なシナリオの書き方やこれまでのエピソードが頭にずっと入ってきました。高山先生は、長年プロでいつづけるために基本の書き方を大切にしていらっしゃることがわかりました。私もきちんと石礎をつくろうと改めて思いました。

・話し始められるとすごくエネルギッシュでパワーを感じました。どん欲さが創作には必要ですね。

・今日は大変楽しいお話をありがとうございました。何より高山さんの人を大切にし、ぴったりと寄りそって下さるような雰囲気、お話にとても魅かれました。このように人と接することでいろいろなことを吸収なさって感じられているんだなぁと感じました。シナリオを書く上で大切になさっていることについてのお話は、とても勉強になりました。どんなに素晴らしい先輩方でも、一つ一つの小さな作業を大切になさっているから、人に何かを伝えることができる素敵な作品を作り上げていくことができるんだなということを学びました。ありがとうございました。

・特に前半でシナリオハンティングの重要性のお話しでは日頃の不勉強を反省させられました。私も日本の伝統的な世界が大好きなので、いつか、日本の美しさを伝えられるような作品世界を表現できたらなと思っております。

・映画づくりの上でのチームワークの重要性がよくわかりました。共調性も重要だな≠ニか、スタッフの共通物としてのシナリオ≠ニいう感じを覚えました。

・もうすぐ50になるのですが、これからシナリオを勉強します。頑張れそうな気がしました。

・今日は素晴らしい時間、講座でした。シナリオライターとして、監督として、頑張っていらっしゃる事に感激しました。

・仕事の業種は違っても、仕事のすすめ方の基を教えていただけたと思います。