第2回放課後倶楽部  平成15年6月28日(土曜日)
    
  討ち朝駆け
「事件記者は眠らない!」

三谷佳弘先生 毎日新聞社神戸支局長 
三谷佳弘(みたによしひろ)氏

1956年生まれ。1979年、毎日新聞に入社。福井支局、奈良支局などを経て、85年〜88年、大阪本社社会部(主に大阪府警捜査1課担当)。88年〜91年、神戸支局(兵庫県警キャップ)。91年〜95年、大阪本社社会部(司法キャップ、府警キャップなど)。95年〜97年、奈良支局次長。97年〜98年、大阪本社特別報道部デスク。98年〜01年、大阪本社地方部デスク(事件担当、筆頭など)。1年〜03年、編集制作センターG1(旧整理部)部長代理。03年〜神戸支局長。

総理大臣はいないし、天皇陛下もいない大阪。東京に比べて「舞台が狭い」という指摘はありますが、どっこい、事件では負けていません。大阪になくて東京にだけあるという事件はまずありません。当然、各社とも大阪の事件担当記者は腕っこきぞろいの「花形」。ところが、そんな美辞麗句にだまされて、やってみたらそれは大変。辛いやら眠いやら。とほほ…の連続です。豊田商事事件、グリコ・森永事件、朝日新聞襲撃事件、毒物カレー事件など関西で起きた主な事件の一線取材にかかわる。病院通いと学会追いかけの科学部記者、出社もせず演劇鑑賞三昧の学芸部記者など新聞記者の゛品種゛はさまざまあれど、テレビ、小説に最も登場するのは社会部の記者。なかでも、「夜討ち朝駆け」といわれる事件記者の生態について紹介します。

講義内容
講義をされる三谷佳弘先生

 青年時代の入社にまつわるエピソードから始まった、毎日新聞神戸支局長・三谷佳弘氏のご講演。地方の支局を経て、大阪社会部では当初、動物園の記者クラブに配置され、「動物園といっても午前中はサツ回り・・・」――そんな話から事件記者が徐々に聴衆に肉迫。「四天王キャップというと、府庁キャップに、府警、司法、遊軍。遊軍とは・・・」「捜査一課では・・・捜査二課では・・・」「硬派の記事というと・・・」などの説明の後、日常生活にズームインしました。

 早朝に起床後、警官宅への朝駆け≠ゥら始まって、大阪府警での、車庫点検と定例懇談会の繰り返し、その間くる夕刊締切、夕食を摂った後の警官宅への夜討ち=A深夜に及ぶ府警での最終チェック、そして帰宅。「なぜ車庫をチェックするか?」「では、いつ寝るか?」「でも、なぜやせないか?」興味深いお話の中、一人の記者像がまざまざと浮かび上がります。

 かかわった事件については、豊田商事事件でのマル秘スレスレのエピソード、殺人事件における秘密の暴露≠ノかかわる反省点、テレクラ火災事件を例に実名報道の是非、薬物カレー事件におけるメディアスクラム≠フ問題などなど。社内におけるシステムについては、デスク会や締切、地方への配送のお話など。家庭の姿も加え、いずれも第一線で活躍された方ならではの、その場の匂いが伝わってくるような内容でした。 

参加された方々のお声
三谷佳弘先生

・事件記者の日常と新聞のしくみがすっきりわかりました。朝日事件での怒りが伝わってきたのが印象深かったです。実名報道など、色々と困難な問題だなと感じました。

・自分の知らない話が聞けてタメになった。

・テレビの世界とはまた違った記者像だったので、結構驚きました。生の声が知れて良かったです。

・すごく優しい方なので、すべて何もかも教えてあげたい、役に立ちたいという気持ちがひしひしと伝わってきた。

・学生時代、新聞記者になりたくて、見事、入社試験で落ちましたが、仕事ぶりを伺って、こんなハードな仕事やったら、きっと勤まらんかったやろな、と思いました。でも、体験談としてお話を聞いていると、楽しそうなお話で、良い時間を過ごせました。

・面白かったです。今日から新聞を違った目で見ることができそうです。

・生の声が聞けてよかった。生活サイクルも意外なことばかりで面白かったです。

・新聞が場所によって、微妙に記事が変わるというのが、面白かったです。

・実際のお話がうかがえて、身近に記者≠感じることが出来ました。

・事件記者という方は私達が普段接することのない人で、もっと怖い(見た目が)人だと思っていました。ところがやはりキャップなどを歴任された方はとてもユーモアのある性格をしていらっしゃって、話も分かりやすく聞けたと思います。
三谷先生のお話に聞き入る生徒さん達


・朝日の記者の事件を解決して欲しかった、の言葉が重く感じられました。

・紙面の話なども入って、興味のわく話がいっぱいでした。 

・長い時間、声をからせてまでお話し戴き有難うございました。毎日新聞をとっていたので面白かったです。