第8回放課後倶楽部 平成16年1月31日(土曜日)
 〜お待たせしました! 風俗ドラマ編「風俗の世界に生きる人々」〜
「浪速裏街道奇談パート2」

川中英明先生 日頃垣間見ることのできない世界の貴重なお話を伺いました
川中英明氏


 川中英明(かわなかひであき)氏プロフィール

シナリオ・センター大阪校26期生。平成元年を吉兆に入学。基礎科の自己紹介の授業の時、思い切って「現役のやくざです」と言って、怖がられたり興味を持たれたりでスタート。平成5年、「新暴対」施行の時に「オヤジが死去」で足を洗う。業界の繋がりは今も続くが、右翼団体幹部職に席?を置き、民族運動に覚醒する。一方では、盲導犬推進活動と老人ホーム設立の活動に従事。更に青少年育成問題にも取り組む。シナリオ・センターで習ったことを、抗議文や要請文に生かし、業界のコネを使い、いずれは自分の映画を作りたいと夢を見ている途上。


講義内容
講義をされる川中英明先生

 30年ほどヤクザの世界に身をおいた、という川中英明氏。その人脈は広く、お話は意外にも、池田小学校の児童殺傷事件に関連づけて子供の育成問題から始まりましたが、次の「5軒のソープの守りをしていました」というお話あたりから、参加者はドキドキ……。

 風俗店の現状、警察の摘発に触れた後、風俗嬢のプロフィールへ。若いアイドル以上の寝姿をもつ女性が大勢いるかと思えば、80歳を過ぎた売春婦も健在とか。

 小遣い稼ぎに一時期働く人もいれば、その世界に一生身をおく覚悟で働く人も。追っかけ≠熨カ在する魅力的なAV女優、最近増加傾向にあるメル友になるなどで個人的に稼ぐ、隠れ風俗=Aそして外国人風俗嬢の実態、日本人にはない、そのプライド、競争心……。様々なエピソードからその人間像に触れる中、サービス内容、その変遷、少し恐いような引き抜きの方法も話され、活字にできない内容も次々と明らかにされました。氏自らの体験による堀の中≠ナのポルノ小説執筆や性に絡むお話など、まるで映画を見ているよう。

 中でも「なぜ男性が風俗へ行くのか?」「どんな風俗嬢が、退めた後で転落していくのか?」「どんな女性がずっと続けているか?」「風俗嬢の楽しさ、ロマン」等の話の中には、夫婦、男女、そして人間の悲哀が……。

 また一つ、ドラマの種が植えつけられるような内容でした。


参加された方々のお声
川中先生のお話に聞き入る生徒さん達
・風俗業界で働く女性とは、いったいどのような心理でそうしているのだろうと思っていましたが、本当にちょっとしたきっかけで入ってしまうのだなとわかりました。87歳の現役のおばあさんに一度あってみたいと思いました。

・何をするにしても最後までやり通すって大事だって教えられました。テレビで売れたからといって過去を正当化しようとするどっかの元AVタレントにも聞かせたいよ。

・「日常」と「非日常」が誰にでもあって、自分の領分で生きなければならないのかなと、深く考えさせられました。意外な分だけ楽しくためになりました。引き抜きの話がリアルで面白かったです。

・1000人の男とねてもその行為自体は問題にならない。問題なのは自分自身の良心の重さ?にのちのち気づくこと、というような内容の言葉が心に残りました。

・世間一般でやってはいけない≠ニいうことをやることに対して、その人なりのわりきりかた、もしくは決意があれば筋がとおるし、魅力的な人間になりうるというのを教えていただいた様な気がします。

・全国平均でお父さんとの夕食という率が70%位っておっしゃっていて、なんか少しほっとしました。最近暗いニュースとか多いし、犯罪も低年齢化しているので。

・学校では教えてくれない性教育という感じでした。生きていく上で、少しかしこくなった気がします。

・ディープな話で面白かった。結局人間の問題だと気づかされました。

・堀の中の話≠ネども面白かった。無知が故に天使の輪……≠ニいう言葉が印象的でした。

・風俗とヤクザの関わり方や、風俗嬢の心情とかが愛情を持って語られていて心に残りました。

・後半のお話。特に外国人風俗嬢間と日本人風俗嬢間のプライドの持ち方、負い目の感じ方は興味深かったです。87才の現役の方のお話をもう少しきいてみたかったです。

・気軽にお金をかせいで楽しんでいるうちはよくても、やはり心の奥底、魂の部分がどんどん傷ついていくのだと思うと、やり切れない気持ちになりました。もっと自分を大切にする生き方をしなくてはいけないと感じました。

・風俗嬢も金のためではなく人間的≠ニいうお言葉が心に残っています。

・どの世界にも人間ドラマがある。もっと深い所の話もききたいので、ぜひ、次回もお願いします!

・人間くさい話で、ひさんだけれど、あたたかい目線で、話されて良かったです。

・何となく軽く考えていたテーマでした。お話を聞いて、人間の光と影、普通のサラリーマンやOLもまた当てはまる話だなと感じました。そして、人間というものは、奥が深いんだなーとつくづく感じました。薄っぺラではなくて……。

・1度入ると戻って来れない怖い世界だと改めてその怖さを知った。もしシナリオに書くとしたら、中途半端な気持では書けないと思った。
川中英明先生


・良心の中のストレスが年を追うごとに、実は解決されなでいる、という話には「日本の父親は平均7割家族で夕飯を取っている」という話と近似の安心感みたいなものを感じました。と、ともに無知で軽くお金のためにその世界に足を踏み入れてしまう女性(男性)への認識のUPというのがなんとかできればいいのにと思いました(ずっと青春の87才の方などはあっぱれと思います)。性病についても広報して欲しいと思いました(するべき)。