『天理市』

「天理市」と聞いたら、何を思い浮かべますか?

いつも鳴らし物で夜回りと朝の掃除をしてくれる天理教?
それともスポーツファンなら柔道、野球、ラグビーでしょうか、・・・・。
どうしても、「天理教」とその教育機関である「天理高校・大学」が連想されてしまいますね。

実は鳩子も天理市を初めて訪れるまでは、皆さんと同じような印象しかありませんでした。たまたま奈良から車で(最近の鳩子は運動不足なもので)南下した折、ついでに立ち寄ってみたのですが、市内のいたるところに点在する信者のための宿泊施設やおやさとと呼ばれる本殿、さらにそれをとりまく広大な敷地に圧倒されて、まさにここは日本のバチカンだと妙に感動してしまった次第です。

本来このような場で一宗教に関することをとりあげるのは不適切なことですし、また宗教はドラマや映画の素材として触れにくいものであることは承知しています。
しかしそれでもこの偉容を誇る宗教都市は一見の価値があると判断し、今回のレポートしてまとめてみました。

宗教にアレルギーがある人も、教義について触れるものではありませんので安心してお読み下さいネ!

まずは天理市の概況から

昭和29年に山辺郡の丹波市町、二階堂村、朝和村、福住村、添上郡櫟本町、磯城郡柳本町の3町3村が合併してできたのが天理市です。
宗教団体の名前がそのまま市名になった全国でも珍しい都市です。



歴史やハイキングが好きな方なら、日本最古の“国道”といわれる「山辺の道」や日本書紀や古事記の時代に遡る史蹟の数々、国内有数の古墳地帯として訪れたことがあるかもしれませんね。

天理市には国内外から年間100万もの信者が“帰ってくる”来るので、道路や鉄道が、同じような地方都市と比べ格段に整備されているのも特徴です。まさに宗教と共存し発展してきた町だと言っても過言はないでしょう。

宗教都市:天理

市の中心部には天理教教会本部と関連のさまざまな施設、幼稚園から大学、各種学校などの教育機関、野球場やラグビー、ホッケーといった競技施設のほか、内外の民俗・考古・美術資料の収集で知られる「天理参考館」、国宝・重要文化財を含む百数十万の蔵書世界的に知られる「天理図書館」など、多くの見所があります。


天理教の中心はおやさとやかたという建物で、神殿から400mほどのところをぐるりと四方から囲むように建ち並んでいて、全ては完成していないようですが、出来ている建物は学校の校舎、総合病院、博物館などさまざまな用途に使われています。


いずれも朱塗りの柱、白亜の壁、大瓦葺の屋根、そして何層にも渡る回廊など、「千と千尋」出てきた湯場を連想させる威容さです。

宿泊所

市内の道路沿いの至る所に、近代建築でありながら入母屋造・瓦葺という独特のスタイルの世界各地から集まる信者のための宿泊施設が百数十も建ち並んでいて、初めて訪れた人はまずその宿泊所が「徳島県第三宿泊所」、「カナダ宿泊所」というように県や国ごとにわかれていることに驚かれることでしょう。年十数回の祭典には人口7万人ほどの市内に何十万人もの信者が集まるので、当然といえば当然のことなのでしょうが・・・。


最後に

京都や奈良市内には多くの神社仏閣がありますが、近年の都市開発により周囲を住宅や工場などに囲まれ、往時の荘厳さや広大さを偲ばせる場所がどんどん少なくなってきています。
今回天理市を歩いてみて、形は違えども古の日本の姿や日本人の精神的風土がなんとはなく想像できたような気がします。

これからの天気の良い季節、歴史の里を散策がてらぜひ立ち寄ってみてください。

リンク集

天理市ホームページ
http://www.city.tenri.nara.jp/

天理アイエクスプレス
http://www.tenri-iexpress.com/

天理教ホームページ
http://www.tenrikyo.or.jp/ja/top.html

天理市までの交通機関

★大阪環状線鶴橋駅で近鉄奈良線に乗り換え西大寺(約40分)から
 近鉄橿原線急行→平端→近鉄天理線急行天理(約15分)
★近畿自動車道→西名阪自動車道天理IC(東大阪から約45分)