中前美智子さん(44期)が、構成台本を執筆

作家集団の中前美智子さん(44期)が、10月スタートの新番組で、盲導犬育成のためのドキュメンタリー番組「具志堅用高の『ちょっちゅね〜!』盲導犬〜光に向かって走れ」の構成台本を執筆されました。

中前さんは、株式会社エンタープライズ代表取締役社長・田中博氏からの「盲導犬の番組の企画書を」という依頼により企画書を提出。その企画が採用となり構成台本も執筆されることになりました。

「盲導犬については何も知らなかったのですが、企画書を書く時には盲導犬協会のホームページや本で調べ、台本を書くことになってからは、訓練施設を訪れたり、盲導犬を待っている方から実際にお話を伺ったりと取材を重ねました」

ドキュメンタリー番組は知識がないことには何も始められず、間違ったことを書くわけにもいかないので、取材の大切さを改めて痛感されたそうです。

「盲導犬を育てる人、盲導犬を必要としている人、みなそれぞれに大きなドラマを抱えている。人の中に大きなドラマがあるのだと思いました」

この取材によって、ドラマのシナリオの創作意欲も随分とかきたてられたそうです。春にもまた新しいドキュメンタリー番組の構成台本を書く予定とのこと。がんばってください!

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研修科の藪野さん(54期)、新井一賞入選

毎年恒例東京夏合宿で行われる20枚シナリオコンクール「新井一賞」で、研修科の藪野敬治さん(54期)が入選されました。

「まったく予想していなかったのでビックリしました。ノミネートされただけでも、ヤッタ!って驚いていたのに」

今年の新井一賞の課題は「目撃」。藪野さんの作品は、主人公の銀行員が上司の不正場面を目撃してしまい、その上司に脅されながらも、クビを覚悟で不正の事実を会社に報告するが、実はその不正自体が会社の仕組んだ社員の人格をテストであったという話。「『目撃』という課題で、すぐにいろんなネタを思いついたんですね。でも、自分がこれだけ思いつくなら他の人も思いつくなと思ったんです。ありきたりのものにするのは嫌だと思って、また考え直したんです」その作品が見事入選を飾りました。

好きなジャンルはパニックものやサスペンス。「ハラハラして最後にスカッとするものが好き」とのこと。ライターとしては、ジャンルに拘らず、どんなものでも書けるようになりたいとか。「どんな要求にでも応えられる便利屋と呼ばれるようなライターになりたいです」と。

賞をとったことで、「これから、ますます本腰を入れて取り組んでいこうという気持ちになりました。いい意味で背中を押してもらえたと思っています」と、とても意欲的。頑張ってください!

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佐々木孝昌さん(43期)、ラジオドラマ執筆

ラジオ関西のフリーディレクター佐々木孝昌さん(43期)が、同局の45分の特別番組「なおちゃんの旅地震でも壊れないものは」を執筆、5月にオンエアされました。

ドラマは神戸新聞に10回連続で掲載の取材記事を原作とした脚色物。中学生の時に阪神淡路大震災の被災者となり、大切な人を失う不幸に見舞われた主人公が、色々な人との出会いを糧に、様々なことにチャレンジしながらたくましく生きていく様子を描いています。「音作りもまとめて任されました。内容は、ご本人の希望もあり、あまり脚色できず、ドキュメンタリータッチになりました」

今までにもラジオドラマの世界では主にコメディを中心に執筆。朝のワイド番組「谷五郎のOhハッピーモーニング」の、約30分の創作ドラマ枠でコメディ、5分の枠で下ネタ絡みのお話を書かれました。「笑いはストレスの発散になる。人間の嫌な面も笑いに表わしたい」。アメリカのコメディやドリフの笑いも大好きだとか。

センターには7年くらい前に入門。習作でもコメディをよく書いていたそう。趣味は遊郭の跡地巡りと個性的。飛田や曽根崎、松島など、かつて遊郭のあった地を訪ね、その名残りをとどめる建築物を見たり、関係者に話を聞いたりしているとか。

「あってはならないようなものなのに、かつて実在した。そこに魅かれる。だれも語りたがらず、表の資料には残らない歴史を記録にとどめたい」

執筆のために心がけていることは色々なジャンルの本を読むことと、旅行に行ってよく物を観ること。夢はドリフのコメディ映画を撮ること。メンバーの一部はまだ健在で、あきらめていないそうです。更なるご活躍、楽しみにしています。

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増田直美さん(49期)と吉村奈央子さん(49期)の活躍

  • 秋冬発売予定のロールプレイングゲームの制作に

作家集団の増田直美さん(49期)が、秋冬発売のゲームの制作に携られました。

「ゲームは完全に作ってしまうとゲームじゃなくなる。買った人が想像できる余地がないと」と。手がけたのはロールプレイングゲーム(RPG)。大筋は既に決まっている中、キャラクターに派生する小さなストーリーのアイデアを中心に一部シナリオも提出。サブキャラクターについては、未決定のことも多く、履歴書込みで意欲的に提案されました。普通のドラマ作りと違い、画面に納まるように字数制限、また、対象には子どもが含まれることを配慮するなどのご苦労もあったそうです。仕事の面白さについては、「ゲームなのでどんな展開も可能。想像する余地を残して作って、買った人をいかにゲームに参加させるか。考えるのが楽しかったですね」

昔は漫画家志望。懸賞の最終選考に残られたこともおありです。センターには「ストーリーが書けるように」と通信を経て入学。「今はドラマが書きたい」と、秋の公募に向けて奮闘中。岡田惠和さんのファンで、「心あたたまるドラマが書けたら」と話されます。「今回の仕事でキャラクターの立て方や盛り上げ方がよく分かったので、それをドラマに生かしたいですね」

  • “優しさ便り”で続けてオンエア

イラストとナレーションによる同番組で吉村奈央子さん(49期)の作品が4月「エイプリルフール」と6月「たからもの」とオンエア。今後の予定としては、夏までに、恋のときめきや育児に悩む母親、10月予定分では友情について。日本テレビ制作。日本テレビホームページに番組紹介が見られます。

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2時間ものサスペンスの企画

宝塚映像のプロデューサー、加賀城英明氏よりお話を頂き、オリジナルと原作物のシノプシス執筆に、作家集団生3名が奮闘中です。

  • 尾崎知紀さん

「めったにないチャンス。いい経験になるので頑張ろうと思っています。シノプシスは、かつて一回採用されたことがありますが、実は少し苦手。素材が勝負だなと考えています。サスペンスといってもトリックよりヒューマンドラマ重視にして、解く側の人物の人間関係も織り込み、テーマに深くかかわらせようと思っています。なんとかいいものを書き上げたいです」

  • 水本智子さん

「ミステリーはゼミでも書いたことがなく、説明をお聞きした後、引き出しを多くしておかねばならなかったと痛感。特に私は緻密な計算が苦手な上、枠の制限もあるので、苦戦しています。でも、例えば、原作を読んだり下調べをしたりで、自分の糧になるようにさせていただければと思っています。課題もきちんとこなしながら、ベストを尽くすことができれば…」

  • 西村直子さん

「ちょうどミステリー向けの使いたいアイデアがあって書いていたので、1本はそれをかなり直して提出しました。2時間ものサスペンスは、犯人設定、トリック、構成と、簡単にはいかないので、推理小説を何冊か読んだり、TVを見て、あらすじや原作者、タイトルをチェックしたりしました。映像化は難関ですが、夢見ています」

故・倉田順介大阪校所長をはじめ、講師の先生方が活躍され、センターとはご縁の深い宝塚映像。加賀城さんは「謎解きだけではなく人間的肉づけもでき、社会的視野をもつ若い書き手がいれば」と話されます。さまざまな受賞歴を持つ3人の方、頑張ってください。

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木村敏男さん(43期)、劇団旗上げをプロデュース

作家集団(47期)の木村敏男さんが劇団「アタック2M」の旗上げ公演でプロデューサーとして活躍されました。

代表はクラス仲間で、吉本新喜劇の演出助手をされていた岡崎真起子さん。木村さんは岡崎さんの呼びかけで団員となり、旗上げに奔走することに。16人のスタッフは全員センターの仲間だそうです。

「お金を頂くからにはいいものを」との一心から、制作費が限られる中、照明と音響は、交渉の末、経験の豊かなプロに依頼。二日間の公演に、リハーサルも二日設定したとか。出費を補うため、一万円で一口スポンサーを募ったり、チラシにのせる広告をとったりのご苦労も。

上演までには、「断られ続けた」会場探し、事務所や稽古場の確保、役者さんの要望や交代の調整、岡崎さんによる台本の直しの打ち合わせ、スタッフの手配etc…大小の問題に追われる日々。公演に定員以上の観客が集まり、舞台もプロから「ここまでできるとは」と言われた時には「涙ぐみました」と木村さん。「見切り発車で始めて、事が起こってから対処することが多かったが、これでノウハウはわかったので、そういう意味では次回は楽とも言えますが……」と話されます。

公演が成功した後は、稽古場の提供や照明、音響、役者で参加を申し出る人も現れているとか。「でも次回は、旗上げという花火がないから、違う意味で難しい。正念場と思って気を引き締めて頑張りたいですね」

最後に「センターからのスタッフには本当に感謝! 男性でも衣裳の裾上げをしてくれたり、一日中、会場のトイレを掃除してくれたり。色々な事で働いていただいて、本当にありがたい限りです」

大きな産声をあげた新劇団。みんなで応援しています。

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頑張れ、ヤングたち!

老若男女が腕を磨く大阪校。今回はヤング3人にインタビュー。

  • 進級まもない板野正英さん(18)

中学生の時に小説に書いていたノスタルジックな世界観を、より多くの人の共感を求め、映像で表現しようと入門。

3月までの養成講座では、講義内容と仲間に大いに刺激されたとか。携帯電話で小説が流れる現代、「そのように、一人で映像を作る感覚で、若い人の多様な考えや僕の世界観を、エンタティメントに表現できたら面白いと思う」。進級したばかりの研修科では「馴れ合い抜きで、叩いてほしい」と意欲満々

  • 長篇も頑張る板東和正さん(19)

論文や詩を書くこととドラマが好きな大学2回生で、長篇サポートクラスにも所属。「知らないことを想像で書くのは失礼」と思い、取材のために障害者の施設でボランティアを体験。「生の現場を見て、書くことの責任を痛感した」と話します。センターでは多くの社会人に接することができて得るところ大と。「まだ経験も浅いけれど、書くために深く調べたり考えたりして、職業や人の気持ちに迫ることができる。とても勉強になっています」

  • OL一年生の葉山照美さん(22)

音楽で生活できるくらいに稼ぐ友人を見て、「私も夢中になれることを」と思い、シナリオの世界に。最近は電車の中でも他人の話や仕草に気をつけるようになったとか。目標は、人を力づけるドラマを書くこと。「3月まで学生だったけど今はOL。社会人の世界を深く知り、よりリアリティをもって書けるかと思うと、楽しい。でも、学生時代の、花一つにも感動するような気持ちも忘れずに、シナリオと仕事の日本柱で頑張っていきたい」

フレッシュパワーが楽しみ!

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長篇サポートクラスで、じっくり、しっかり、スキルアップ!

長篇が書けなくて悩んでいる人に耳よりなお知らせ。大阪校では、一年間で長篇の書き方を徹底的に勉強して一作書き上げる、毎月1回、少人数制の“長篇サポートクラス”を1月より開講。7月スタートの第2期生も間もなく募集の予定です。

指導にあたられるのは、大阪校講師・顧問の平井清司先生。「長篇を書く楽しみ、充足感を味わってほしい」と話されます。

第1回はシナリオの基本、特にテーマの確認とプロットの重要性。第2回はプロットの合評。第3回はストーリーの合評。第4回はジャンル別にグループ分けして箱書き。順調な人は第5・6回で起承転結などパーツに分けて20枚シナリオ指導の予定。

「プロットなど完璧に仕上げて進めていくためにマンツーマンの指導にします」と。

参加者からは「前回はプロットを皆で読んだ。色々な意見が聞け、他の人のプロットを知ることができ興味深かった。1年かけてジックリ勉強できるのがいい」「テーマを煮詰め、そこからキャラクターを設定し、プロットを立てる。この3点の重要性を再認識した。個人的な疑問を聞くことができるのもうれしい。今後、箱書きについて実践的に学べるのも楽しみ」などの声が上がっています。

平井先生は、従来からの長篇合評クラス・長篇研究科の発起人。

「当時より今の人たちの方がプロ志向が強い。長篇は1本きちんと書いて書き方を覚えれば、必ず書けるようになる。また、ここで共に書く仲間を作れば、将来の執筆の強い支えにもなる。私も力を惜しまないので、仲間と共に頑張ってほしい」

対象は在籍者。在籍クラスと両立させてスキルアップを!

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長篇研究科の大北哲夫さんが卒寿

1月21日に90歳になられました。

「そのこと自体より、長研の仲間やOBたちがお祝いに集まってくれたことがうれしい」と喜びの弁。

65歳で定年を迎え、今後について「年寄りくさいことはイヤ」と思っていた時に目にしたのが新聞の大阪校の広告。

当時は、シナリオ修業はプロの内弟子になって、と考えられていた時代。大阪校を訪ね、設立者の沖原俊哉先生に話を聞くと、「騙されたと思って講義を聞いたら?」。

そして受けた新井一先生の講義の予想以上のおもしろさ! その後ゼミに進み、書いた20枚シナリオは約五百本。(当時は20枚シナリオのみ)。

「百本を過ぎた頃か? 課題が尽きて、前所長の倉田順介先生は僕一人のために課題を、それも難しいものをと思案。最後の方では苦心して二つの課題を盛り込まれ、僕も負けじと書いていました」

当時から長研に至る今も「皆とワイワイと人の作品をけなし合うのが(笑)楽しみ。齢は全く意識したことがない。自分も若いつもりやから」

健康の秘訣は特にないとのことですが、暴飲暴食はしないで、毎日10分ほど体操しているとか。

最後に…「“シナリオ教室”や毎月買っている月刊“ドラマ”に掲載されているシナリオは全部読んでいます。また昔、新井先生に言われた『一日に小説を50ページ読みなさい』は今でも実行。もう日課になっています」身についた向学心も健康の秘訣?本当におめでとう!

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秋満隆生さん(52期)、第29回城戸賞で佳作入選

52期の秋満隆生さん(53歳)が上位で準入選の快挙です。

タイトル『祭囃子が聞こえる』

舞台は京都。昭和30年代半ば、父が結核にかかり、母が家計のために妾となった小学生・正生の、成長と純愛の物語を、学生時代を中心に描いたもの。教師になる夢を捨てて家族のため舞妓修業に出て、正生と離れ離れになる水絵。悲惨な状況の中でもたくましく明るく生きる母。恋のライバルでもある親友。主軸に、母子、 夫婦、友情のドラマが絡む力作です。

秋満さんは「自分が育った京都の町を背景に、純愛や、京都の女の強さを描きたかった。母の生き方は現代のそれとは随分違って、古いが、それもいいのではと思いました」

シナリオを書き始めたのは38歳の時。40を前に「このままでいいのか?」と思ったのがきっかけ。

新井一先生の『シナリオの基礎技術』を何度も紐解きながら執筆を重ね、公募に挑戦。木曜ゴールデンドラマとフジテレビヤングシナリオの最終選考や、NHK創作テレビドラマの佳作、シナリオ募りますの準入選に選ばれる等、優れた成果をあげた後、シナリオ執筆や企画をしておられましたが、40代半ば、奥さまを亡くされて中断。約5年後、周囲の勧めもあって再開し、一昨年、大阪校基礎科へ入学されました。

今受賞については「電話を受けた時には本当に驚きました。というのも、応募後に入賞者一覧を見ると20代が圧倒的だったから。文書が来て、ホッとしたという感じでした」。今は、仕事に「食う寝る以外は」執筆に専念。平日小1時間と日曜の午前中は絶対に書くと心がけている、と

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放課後倶楽部に桐竹勘十郎氏

昨年、世界無形遺産に選ばれた人形浄瑠璃・文楽。2月28日の放課後倶楽部では、昨年襲名披露で話題を呼んだ人形遣い・三世桐竹勘十郎氏をゲストにお迎えします。テーマは“文楽の世界に学ぶこと”。

氏は、人間国宝の人形遣い・吉田玉男と並び“静の玉男、動の勘十郎”と称された人間国宝・二世勘十郎を父に持ち、姉に三林京子。中学2年の時バイトで舞台に立ち「父や兄弟子の熱演に感動したことと『旅行に行けるで』といわれて(笑)」、翌年、人間国宝・吉田蓑助に師事、蓑太郎と名乗るように。歌舞伎のような門閥のない、足遣い十年左遣い十年といわれる厳しい世界で修行を積み重ねられ、数々の賞を受賞。立役女形ともに高い評価を得て、昨春父の名を襲名されました。また、子どものために自身で本を書いて新作浄瑠璃を上演したり、各地で人形指導を行ったりと、普及活動にも尽力。趣味は絵画、野球と多彩です。

「当日は、文楽の基礎知識、人形の魅力、人形遣いの世界……などの他、色々お話しすると思います。僕の経験からいっても、本を書くには色々な雑学も必要。文楽は大阪言葉のミュージカルで、昔は大阪商人に不可欠な教養のひとつでした。これを機に、より文楽に親しんでほしいですね」と勘十郎氏。

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